手書きの楽譜から
オーケストラの作曲家が紙に書く楽譜、清書版とは別に、手書き楽譜がそのまま残っている事がある。
チェックマークが付いてある箇所もあるし、
何小節か大きくバツがついていたり、ぐちゃぐちゃっと線を引いていたり、
試行錯誤の様子が紙にずっと残したままにしてあるそうだ。
音としてはどれも間違ってないけれど、
何でこの音を削ったのか、あるいは、どうしてこの音を残したのか、と、作者の意図やその音に至った過程を、その作者を全然知らない後世の人も想像する事が出来てとても興味深い、と聞いた。
話はだいぶ飛躍するけれど、
年度末に向けて、課内打ち合わせ、
今期売上予想数字について、課のメンバーで数字をあーだこーだと1年間を振り返った。
エクセルは、書き換えて上書き保存がされて、
思考や試行錯誤のプロセスは、名前をつけて保存、として敢えて残さないと残らない。
「リセット」がとても簡単で、集計を押せば
売上げに至るまでのストーリーも何だか何も無かったような、淡々と売り上がった気になってしまう。
その打ち合わせにいた人は、分かる。
でも、その他の人や、後から想像する事は出来ないので、手書きは手書きの良さはあるんじゃないかと、(手書きに戻りたい訳では無いけど)
そんな風に感じる、
と、後輩が発言して、哲学的な視点に皆驚いて、
私も、新しい視点を知れて、また世界が少し広がったなーと思った。